The Japanese Journal of Antibiotics
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抗菌剤により誘発されたアレルギー患者に対するFosfomycinの有効性と有用性の検討
鈴木 恵三玉井 秀亀
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1986 年 39 巻 1 号 p. 141-153

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抄録

Fosfbmycin (FOM) は抗菌剤としての有効性の他に, 主としてアレルギーによる副作用が少ない点で高い評価を受けている薬剤である1~5)。これは本剤が非常に低分子量で, ユニークな構造式を持ち (Fig. 1), 血清蛋白との結合が低いこと等によるものと言われている1, 2)。
われわれはβ-ラクタム剤を中心とした抗菌剤で,主にアレルギーが誘発されたり, 既往に明らかなアレルギー症のある症例に対して, FOMを投与し, 有効性と有用性の評価を行つた。有用性の点では特にLST (Lymphocyte stimulation test, リンパ球幼若化試験), LMT (Loukocyte migration inhibition test, 白血球遊走阻止試験), PCA反応 (Passive cutaneous anaphylaxis) や寒天内沈降反応を検討することにより, 投与薬剤と副作用との因果関係について考察を試みた。更に文献的にペニシリン系抗生物質 (PCs), セフェム系抗生物質 (CEPs) を中心とした薬剤について, これまでの副作用報告のうちアレルギーに関連する皮膚症状の項を調査して, FOMとの比較を行つた。

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