The Japanese Journal of Antibiotics
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Bacmecillinamの吸収, 分布, 代謝, 排泄
第4報 Bacmecillinamの人尿中代謝物
井上 顕信小林 智
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1985 年 38 巻 4 号 p. 1113-1116

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抄録

Bacmecillinam(KW-1100)は, 経口投与後腸管粘膜内及び血漿中の非特異的エステラービにより速やかにエステルが加水分解されて1, 2)Mecillinam(MPC)となり, 特にグラム陰性桿菌に対し強い抗菌活性を示す3~6)と考えられている。本薬剤の生体内の代謝に関しては第1報, 第3報7, 8)の14C-KW-1100を用いたラット及びイヌでの生体内動態研究から, 尿中の主代謝物はMPCであり, その他の代謝物としてM-6, M-1が含まれ, 又, M-4が少量含まれることを明らかにした。又, 先の研究では確認されなかつたが6位の側鎖からはHexamethyleneimine(HMI)が代謝物として生成されるものと思われる9)。更にAmpicillinの3位の側鎖に同様なEthoxycarbonyloxyethyl基をエステル結合させたBacampicillinの場合, 吸収後直ちにエステラーゼにより水解され, Ethoxycarbonyloxyethyl基からはアセトアルデヒド及びエタノールが生成されると報告されている10, 11)。
著者らはKW-1100投与時の人尿を分析し, ラット及びイヌでみられた代謝物MPC, M-6, M-1, M-4及び側鎖から生成されるHMIなどの存否並びに排泄量の時間的推移を検討したので報告する。Fig.1に各々の化学構造を示した。

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