The Japanese Journal of Antibiotics
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急性化膿性中耳炎及び慢性化膿性中耳炎急性増悪症に対するCefroxadineとCephalexinの二重盲検比較試験
馬場 駿吉村井 兼孝木下 治二河合 岩小山 賢吾月山 昌夫丸尾 猛和田 健二稲垣 光昭松下 隆玄 利男森 慶人中島 光好
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1983 年 36 巻 9 号 p. 2595-2634

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抄録

Cefroxadine (CXD) はCiba-Geigy社のR.SCARTAZZINIらによつて合成された経口用新セフェム系抗生物質である1)。本剤はGram陽性菌, Gram陰性菌に幅広く抗菌Spectrumを有し, 作用は殺菌的である。又, 経口投与により速やかに吸収され高い血中濃度が得られ排泄も比較的速やかで, 大半が尿中へ排泄される。臨床的には, 呼吸器科2), 皮膚科3), 泌尿器科4) 等の各科領域でその有効性と安全性が確立され広く使用されつつある。本剤の基礎的特性から見て, 耳鼻咽喉科領域においても十分な有用性が期待され, すでに発表された2, 3の報告5~7)からも扁桃炎, 化膿性中耳炎等に有用性が示唆されている。
今回我々はこのうち化膿性中耳炎に対する本剤の有効性と安全性を客観的に評価する目的で, すでに中耳炎に適応の認められているCephalexin (CEX) を比較対照薬とした二重盲検比較対照試験を実施したので, その結果について報告したい。

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