The Japanese Journal of Antibiotics
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邦製Ampicillin坐剤 (KS-R1) の小児科領域における2, 3の検討
中沢 進佐藤 肇新納 憲司平間 裕一成田 章中沢 進一近岡 秀次郎田添 克衛
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1983 年 36 巻 7 号 p. 1814-1820

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抄録

邦の小児科領域においても, 最近各種製坐剤が服用のいやがる年少小児や緊急時又筋注による筋拘縮症の防止の目的から実用化されているが, 常用されているのは解熱, 鎮痛剤, 抗けいれん剤, 気管支拡張剤等であり, それぞれの臨床効果からその有用性が認められている。抗生剤坐剤としてはMacrolide系のものが市販されているが, 吸収が不充分のためか臨床効果に期待ができず, 又有用性のある抗生剤の坐剤が世界的にも製作されていないのが現況である1)。
坐剤がその目的を達するためには, いずれの製剤も使用後局所並びに全身的な副作用がなく, 吸収が良好である点であろう2, 3)。
今回, 使用後の吸収が早く確実で, 同量内服時に比較してより血中濃度が高くなり, 尿中排泄率も良好である等の従来この種製剤にはみられない利点を特徴とする邦製Ampicillin (ABPC) 坐剤 (KS-R1) を入手する機会を得, 小児科領域における基礎的, 臨床的検討を行つてみたので以下今日までの概況について報告する。

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