The Japanese Journal of Antibiotics
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産婦人科領域の感染症に対するPiperacillinの臨床効果と組織移行について
千村 哲朗小田 隆晴小関 憲松尾 正城
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1982 年 35 巻 9 号 p. 2180-2188

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抄録

新しいβ-Lactam系抗生物質Piperacillin sodium (PIPC) は, AmpicillinのAmino基に4-Ethy1-2, 3-dioxopiperazinylcarbonyl基を導入した抗生剤であり, その抗菌Spectrumは広域でかつ殺菌的作用を示す1)。とくにKlebsiella, Proteus, Pseu4omonas, Serratiaなどに対し, 従来の合成Penicillin剤に比較し数倍優れた抗菌作用を示すことが報告されている2)。本剤の血中濃度上昇もDosereSponse的であり, 各臓器移行濃度も優れ, 体内でほとんど不活性化されることなく尿中に排泄される特徴を有している。すでに各科領域で繁用されており, 産婦人科領域の感染症に対しても優れた効果が期待できる。
今回, われわれはPIPCの産婦人科領域での各種感染症に対する臨床効果と, 内性器移行について基礎的検討を行つたのでここに報告する。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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