The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域における9, 3-Diacetylmidecamycinの基礎的・臨床的検討
豊永 義清黒須 義宇杉田 守正堀 誠
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1982 年 35 巻 6 号 p. 1475-1492

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抄録

9, 3-Diacetylmidecamycin (MOM) は, 明治製菓株式会社により開発されたMacrolide系薬剤であり, Midecamycin (MDM) の誘導体である. Macrolide系薬剤の適応症は腸球菌以外のGram陽性球菌感染症であるが肺炎球菌や溶連菌に対する第1次選択剤は, β-Lactam剤であると思われ, 本系の薬剤はむしろ第2次選択剤である. 本系薬剤が第1次選択剤として考えられる小児科領域の感染症では, マイコプラズマ肺炎, 百日咳およびβ-Lactam剤耐性のブドウ球菌感染症が主なものである.
MOMはStaphylococcus aureus, Streptococcus pyogenes, Streptococcus pneumoniae, Bordetella pertussisに対してはMDM, Josamycin (JM) とほぼ同様の抗菌力を示すが, 嫌気性菌およびMycoplasma pneumoniaeに対しては優れた抗菌力を示すといわれ, 血中濃度推移についてもMDMよりも高濃度を維持するといわれている.
今回, 我々はMOMについて, その抗菌力, 体内動態および臨床効果ならびに副作用の検討を行つたので報告する.

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