1981 年 34 巻 12 号 p. 1583-1587
整形外科領域における手術対象は, 四肢, 体幹の骨, 関節, 末梢神経, 腱などがあり, 最近開発された骨折内固定器材および人工関節を生体内に使用する機会も増加している。骨, 関節などが細菌による感染を受けると, 骨髄炎となり, 長期間治療を要することになる。こうした術後感染を予防することは極めて重要であり, そのため細心の注意を払わねばならない。
今回我々は硫酸アミカシン (AMK) を術後感染予防の目的で術創面を洗浄し, その有用性および安全性ならびにAMKの血中移行について検討したので, ここに報告する。