1976 年 29 巻 10 号 p. 914-916
長い間, 女性の淋病を治療するときには男性の2倍量の抗生物質剤を使用したほうがよい, という思想が米国にあつた。Spoctinomycinによる治療も, 男性は2g 1回注射で90%以上の治癒率をしめすにもかかわらず, 女性にははじめから4gを使用する方法がとられていた。これに対する根拠は明自でなく, ただ過去の習慣にしたがつたものと思われる。
今回, 女性の急性淋病に対して男性と同量の2g 1回筋注法をおこなう機会を得たので, その15例についてその成績をのべる。