1976 年 29 巻 1 号 p. 11-16
Amoxicillin (以下AMPCと略す) は, 英国Beecham Research Laboratoriesで開発された新経口用合成ペニシリンで, Ampicillin (以下ABPCと略す) のベンゼン核のパラ位に水酸基を導入したものである。AMPCは, ABPCと同等度の抗菌力と抗菌スペクトルをもつているが, ABPCと同量投与によつてABPCの約2倍程度の血中濃度に達し, 活性のまま高濃度に尿中に排出される。また, 食事によつて吸収が影響されないという特徴がある。
我々は今回, 協和醗酵株式会社からAMPC (製品名Pasetocin) の提供を受け, 急性単純性膀胱炎に投与する機会を得たので, その成績を報告する。