The Japanese Journal of Antibiotics
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Potassium Hetacillin (Versapen ‘Bristol’) の経静脈的投与による術前・術後感染症に対する臨床効果
辻 泰邦富田 正雄
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1970 年 23 巻 4 号 p. 400-402

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抄録

今回, 静注用Potassium hetacillin (Versapen ‘Bristol’) の提供をうけ, 使用する機会をえたので, 臨床的に応用した結果について報告する。本剤は, 1965年Bristol Laboratoriesの研究所で開発された新らしい抗生物質で, 抗菌加および耐容性にすぐれた性質をもつていることが確認されている。
本剤1gを50分間に点滴静注したのちの血中濃度は, 最高濃度100mcg/mlを示し, 6時間後でも3~5mcg/mlを示したことは, 6時間後にも大腸菌をのぞくすべての細菌に対する最少発育阻止濃度に達することが明らかにされている。本剤はBactericidalに作用するので, 外科的感染症を含む術後感染防止にきわめて有効な薬剤と考えられ, 術前, 術後の経静脈的投与は, 血中濃度からみて, 効果的であると思われる。
教室で本剤を経静脈的に使用した経験についてのべる。

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