The Japanese Journal of Antibiotics
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Penimepicyclineに関する細菌学的研究
中沢 昭三小野 尚子目片 勇川辺 晴英西野 武志
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1969 年 22 巻 1 号 p. 16-20

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抄録

Penimepicycline (PMC) は1959年イタリアのPEDRAzZOLI, GRADNIK, CIPELETTIらによつてつくられた4'-(β-Hydroxyethyl)-diethylene-diaminomethyl tetracycline 62.5%と, Phenoxymethyl-penicillin37.4%に含む酸・塩基結合の新らしい複合抗生物質である。
水に1,428mg/ml溶け, メタノールにきわめて溶けやすく, エタノールには僅かに溶け, その他の有機溶媒にはほとんど溶けない。
2% (20mg/ml) 水溶液のpHは5.5~5.7であり, 融点は143℃ で完全に融解し分解する。比旋光度は[α]20D=50.5±2゜(2%メタノール溶液,20℃), 紫外部吸収はメタノール溶液で270mμと366mμ に吸収極大をみとめる。赤外部吸収は, 混合物でみられる遊離カルボン酸基 (-COOH) の1750cm-1の吸収帯は合成したPMCでは全くみられなくなる。カルボキシレート (-COO-) の1600cm-1および1320cm-1の吸収帯は混合物よりPMCに増大がみとめられる。
マウス急性毒性 (LD50), 皮下1,096mg/kg, 静注345mg/kgである。
今回, 私どもは本物質の細菌学的研究をおこなつたので, その成績について述べる。

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