主催: 日本化学会情報化学部会
共催: 日本薬学会, 日本農芸化学会, 日本分析化学会, 日本コンピュータ化学会, 教育システム情報学会(協賛)
p. JP20
転写因子のようなDNA結合蛋白質はDNA塩基配列を特異的に認識し、遺伝子の発現と制御に対し重要な役割を果たしている。本研究では計算機シミュレーションによりこの認識の特異性を明らかにしようとしている。これまで、一塩基対とアミノ酸側鎖間の相互作用自由エネルギー(ΔΔG)マップを計算し、その相互作用の特徴を調べてきた。今回、主溝側において、スタッキングした三塩基対とアミノ酸側鎖間の相互作用自由エネルギー(ΔΔG)、相互作用エンタルピー(ΔΔH)、相互作用エントロピー(TΔΔS)マップを計算した。三塩基対を考慮に入れることにより、一塩基対だけでは表せない、側鎖が上下の塩基対間に架橋する相互作用形式も安定構造として見出された。これまでに得られている一塩基対と側鎖間のマップ、二塩基対と側鎖間のマップを組み合わせることにより、このスタッキングした三塩基対と側鎖間の相互作用を表現できるかどうかを調べた。