2011 年 21 巻 2 号 p. 135-153
本稿では最高速度,最大加速度,最大減速度,時間遅れの要素を組み込んだ決定論的な一車線交通流モデルを提案する.メタ安定状態が再現されることを示し,各要素がその発生に及ぼす影響を調べる.メタ安定状態の発生は時間遅れによって決まるが,発生時の密度が最大減速度の影響を受ける.また,自由走行相に従来観察されていない構造が存在することを示す.さらに,団子状に車が初期配置された場合において,定常状態での流量を理論的に求め,自由走行相から渋滞相への急激な推移を示す.