日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第59回日本衛生動物学会大会
セッションID: A31
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南大東島における鳥マラリア媒介蚊の季節消長
松井 晋*津田 良夫斉藤 篤思赤谷 加奈山内 健生佐藤 雪太高木 昌興村田 浩一
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抄録

最近行われたモズの生態調査の結果,南大東島に生息しているモズのかなりの個体が鳥マラリアに感染していることがわかっている.モズの鳥マラリアがどのような蚊によって媒介されているのかを明らかにするために,南大東島に生息している蚊の生態調査を実施した.定期調査はイースト発酵を利用した二酸化炭素発生装置と吸引式トラップを組み合わせたトラップ10台とGravidトラップ1台を用いて2006年3月から2週間おきに行った.3月から12月までの調査結果から,採集された蚊の種類と季節消長についてまとめて報告する.これまでに採集された種類はヒトスジシマカ,ネッタイイエカ,キンイロヌマカの一種,ダイトウシマカ,アシマダラヌマカ,アカツノフサカ,サキジロカクイカ,オオクロヤブカ,トウゴウヤブカの9種類,約1,700個体である.年間を通じてもっとも捕獲数が多かったのは,ネッタイイエカでついでヒトスジシマカ,キンイロヌマカの一種の順であった.ネッタイイエカの捕獲数は3-4月に最も多く(179-259個体/調査),その後5月に急激に減少し9-11月には最少(0-8個体/調査)となった.捕獲個体数は12月になって増加傾向に転じた.

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© 2007 日本衛生動物学会
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