日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第51回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-49
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III. 免疫と生化学
アトピー性皮膚炎に関連するMalassezia restricta特異抗原の解析
*石橋 芳雄加藤 博司杉田 隆西川 朱實
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抄録

【目的】ヒト皮膚の常在真菌であるMalasseziaは,アトピー性皮膚炎(AD)の増悪因子の一つとして注目されている。我々は、Malassezia 属のなかでも特にM. globosaM. restrictaの2菌種がADとの関連性が深いことをこれまでに明らかにしている。そこで本研究では、アトピー性皮膚炎患者血清IgEに反応するM. restricta抗原の検出頻度および主要アレルゲンの物理化学的性状について検討した。
【方法】抗原はM. restrictaの菌体破砕液より調製した。IgE抗体と反応する抗原の検出はイムノブロット法により行った。また、抗原のプロテオーム解析はMALDI-Qq-TOF MS/MS シーケンスタグ法により行った。
【結果および考察】患者血清IgE と反応するM. restricta抗原を検索した結果、44~47kDa 付近の抗原が全ての患者血清で検出された。この高頻度に検出される抗原は、二次元電気泳動において46kDa, PI 4.4のスポットとして同定された。さらにプロテオーム解析により、この抗原の部分的な内部アミノ酸配列を明らかにした。また、このIgE反応性抗原は糖染色陽性を示すこと、さらに、過ヨウ素酸酸化およびエンドグリコシダーゼ処理によりIgE 反応性を失うことから糖鎖が抗原性に関与していることが明らかになった。

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© 2007 日本医真菌学会
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