日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第51回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-42
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III. 免疫と生化学
human βdefensin2ならびにPsoriasinの白癬菌に対するin vitro抗真菌活性の検討
*赤木 竜也
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抄録

【目的】白癬菌から皮膚を防御する生体機構の一つに、角化細胞由来抗菌ペプチドの働きが推察されている。今回代表的な抗菌ペプチドであり、Candidaに対する抗真菌活性があることが確認されているhumanβ2defensinならびにE.coliなどグラム陰性菌に対して強力な抗菌活性を示すPsoriasinの白癬菌に対するin vitroでの抗真菌活性を調べた。【方法】Microdilution test法によりhumanβ2defensinとPsoriasin添付下でC.albicans、白癬菌(T.rubrumT.mentagrophytesT.ajelloiM.canisM.gypseumE.floccosum)を1~3日間培養し、菌の増殖率を比較し抗真菌活性を検討した。【成績】humanβ2defensinはC.albicansに対して抗真菌活性を有するが、白癬菌に対してはE.floccosum)を除いて抗真菌活性をみとめなかった。またPsoriasinは100μg/mlという高濃度では白癬菌、C.albicansに対して抗真菌活性を有するが、通常濃度ではみとめなかった。【結論】1)humanβ2defensinはCandidaに対する抗真菌作用を有するが、白癬菌に対する抗真菌作用は認められなかった。2)Psoriasinは高濃度ではCandidaや白癬菌に対する抗真菌作用を有したが、通常濃度では抗真菌作用は認められなかった。

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© 2007 日本医真菌学会
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