日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第51回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-41
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III. 免疫と生化学
Candida albicans serotype A 株細胞壁マンナンの詳細な構造
*柴田 信之大川 喜男
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抄録

【目的】Candida albicans細胞壁マンナンの構造と病原性との相関性解析のため、serotype A株の細胞壁マンナンの構造を詳細に解析した。多糖のNMRスペクトルの化学シフト値を全て帰属し、構造解析に有用なデータベースの構築を行った。
【方法】C. albicans J-1012 (serotype A) 株をYPD培地で28℃ 2日間培養し、熱水抽出により細胞壁マンナンを分離した。オリゴ糖の酵素合成はC. albicans J-1012株菌体を破砕し105,000×g沈殿画分を用い、20 mM GDP-mannose、10 mM MnCl2、0.3% Triton X-100を含む50 mM Tris-maleate buffer (pH 7.0)と30℃ 48 h行った。NMRスペクトルの測定はJNM LA600を用いて行った。
【結果及び考察】これまでC. albicans serotype B株のマンナンに存在の知られていた分岐側鎖構造が、serotype A株マンナンの6糖及び7糖側鎖にも存在していた。β-1,2-mannosyltransferase活性を利用して酵素合成したβ-1,2-結合マンノースを3残基含む7糖は、NMR解析の結果、マンナンのアセトリシスで得た7糖と異なり異性体を含まない純粋な構造であった。これらの結果を加成則としてまとめることができた。

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© 2007 日本医真菌学会
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