河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
オープンデータを利用した河川ドローンウェイデータの試作
國谷 岳手計 太一加藤 拓磨向山 公人
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2023 年 29 巻 p. 19-24

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抄録

令和4年7月,国土交通省は,河川上空を活用したドローン物流のさらなる活性化を目的とした実証実験を開始した.また,河川管理の分野においてもドローンの利活用が進められている.しかし,河川上空空間でのドローン等の自動航行には,河道の地形データも必要である.本研究では,河川が十分な河道幅と河道深さを有しドローンの飛行が可能な河道をドローンウェイと定義した.オープンデータである国土地理院の数値標高モデルを入力として,河川がドローンウェイであるか否かを簡便に判定するための,河道断面幅と河道深さを自動抽出するアルゴリズムを開発し,ドローンが河川上空を飛行するための情報(河川ドローンウェイデータ)の試作を行った.本研究の提案手法では河道断面ごとの標高値の変動係数を変数とする関数を利用することで,ある一定の精度で河道幅と河道深さを推定できることが示された.また,複数の河川を対象にして推定精度の比較を行った.本研究での提案手法では河道形状やその規模によって推定精度が大きく異なったため,本手法の適用範囲に関する検討も行った.その結果,特に河道幅が25m未満の矩形断面における本手法の有用性が示唆された.

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© 2023 土木学会
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