名取川流域において, 水生生物を対象とした, HSIモデルを用いた生息環境及び多様性の評価を行った. HSIモデルは多種の環境の条件を統合でき, 定量的な結果を導くことができる. HSIモデルには, 地理情報のほかに, 水温・流出解析モデルを用いて導出した動的データを用いた. HSIモデルより作成した生息適性評価マップから生物多様性マップを導出し, 生物多様性について考察を行った. その結果, 以下の知見を得た.(1) 生物多様性は, 名取川中流域の丘陵地で高い.(2) 生物多様性と各生物との相関をとった結果, ホタルよりもトンボやカエルと大きな相関が見られた. これらの結果から流域環境保全について言及した.