1999 年 25 巻 p. 313-316
通常の地盤改良では, 支持力および剛性の確保が評価の中心であり, 液状化対策などを除いて耐震性がクローズアップされることは少ない.本研究では, 地盤改良に伴う振動性状の変化を, 上部構造物への入力地震動を低減させる方向で利用し, 耐震工学的見地から最適な地盤改良の評価・設計方法を検討する.はじめに, せん断土槽による加振実験により, 改良層により, 模型地盤の卓越振動数や応答倍率が変化することを検証した. ついで上記の問題を, 上部構造物の最大応答加速度を目的関数と考え, その値を最小化するように, 改良範囲や改良率の最適値を探索する最適化問題として定式化し, 模型実験および数値モデルに適用した結果を示す.