1997 年 24 巻 p. 785-788
神戸市高速鉄道海岸線は、新長田一 三宮間を結ぶ延長約8kmの中量地下鉄である。新長田工区は道路幅・共同溝との立体交差などの関係から複円形シールドトンネルで建設される。複円形のシールドトンネルは、まだ実績も少なく設計手法も確立されていない。兵庫県南部地震では、大開駅等の地中構造物の中柱部に大きな被害が生じた。複円形シールドトンネルは中柱を有する構造系であり、その問題が懸念されたため、中柱- かもめ型の部位に対して実物大のセグメントを用いた水平載荷実験を実施した。
本実験から、中柱の水平変形性能と応力状態、かもめ型セグメントのひび割れ状況、および中柱-かもめ型セグメントの接合部の挙動と回転ばね定数を明らかにした。