阪神・淡路大震災は戦後最大の災害となり甚大な被害をもたらした。社会基盤施設であるライフラインは寸断し、多くの人々が被害を受け、大規模な機能障害が発生した。その被害の影響は多方面に波及し、震災直後からライフラインに対する市民の関心は高かった。そこで本研究では、これらの被害や復旧状況などの情報を毎日詳しく伝えた報道機関に着目し、テレビ放送と新聞記事を基にして時々刻々と変化するライフラインの被害・復旧状況を調べ、ライフライン機能が相互にどのように影響を及ぼしたのかを、相互連関図などを描くことにより種々の角度から分析した。その結果、テレビと新聞の報道内容の違い、ライフラインの相互依存性、被害拡大の原因や復旧作業の遅延原因などが明らかになった。