2023 年 4 巻 3 号 p. 619-628
分散配置されたエッジAIの道路管理への応用が進められている.通信網の逼迫を避けるため,エッジAIの更新には,各エッジから全てのデータを集約しないエッジ同士の連携ネットワークの構築が必要である.そこで本稿では,学習済みモデルの性質の違いに基づいてエッジAIの更新に有効なデータを有する他のエッジを選択する手法を提案する.提案手法ではまず,エッジAIの識別モデルの特徴を表す活性化ベクトルを用いて,エッジ同士の類似度を算出する.次に,算出された類似度が最も低いエッジを有効なデータを有するものとして選択する.提案手法によって,再学習に使うデータが少量であっても,汎化性に優れたエッジAIの更新が期待できる.本稿の最後では,道路管理の取り組みの一つである路面推定を行う実験により,分散学習に類似度に基づくエッジ選択を導入することの有効性を確認する.