東海北陸理学療法学術大会誌
第26回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: O-59
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間欠性跛行を呈する腰部脊柱管狭窄症患者の歩行開始直後と終了直前の歩行特性
*松尾 英明久保田 雅史佐々木 伸一嶋田 誠一郎北出 一平松村 真裕美亀井 健太北野 真弓野々山 忠芳鯉江 祐介成瀬 廣亮竹野 建一小林 茂馬場 久敏
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抄録

【目的】臨床において,間欠性跛行を呈する腰部脊柱管狭窄症患者の歩行中に歩容が変化する事をしばしば経験する。腰部脊柱管狭窄症患者の間欠性跛行を歩行可能距離の点から検討した報告は散見するが,歩行開始時と終了時の歩容の変化を検討した報告は我々の検索した限り存在しない。そこで,本研究の目的は,間欠性跛行を呈する腰部脊柱管狭窄症患者の連続歩行開始直後と終了直前の歩行特性を検討する事とした。
【方法】対象は,医師により腰部脊柱管狭窄症と診断された11例とし,10分間の連続歩行負荷中に歩行解析を行った。歩行中に症状の増悪により10分以上の連続歩行が困難な被検者を間欠性跛行群7名(男性4名,女性3名,年齢76.0±4.6歳,身長155.9±10.8cm,体重58.6±18.8kg),症状の増悪を認めずに10分以上歩行可能な被検者を非間欠性跛行群4名(男性2名,女性2名,年齢67.3±11.7歳,身長154.2±6.0cm,体重55.0±3.5kg)に分けた。歩行解析には,6台の赤外線カメラ(Vicon Peak社製)と4枚の床反力計(AMTI社製)を同期させた3次元動作解析装置VICON370(Vicon Peak社製)を用い,解析にはVicon Clinical Managerを用いた。評価項目は時間距離因子,骨盤及び両下肢の運動学的,運動力学的因子とし,各群における歩行開始直後と終了直前を比較した。
【結果】両群ともに両下肢の矢状面角度は,歩行開始直後と終了直前の歩行では明らかな変化を認めなかった。間欠性跛行群では,骨盤及び股関節前額面角度の歩行周期中の変化量は,歩行開始直後に比べて終了直前で大きくなっていたが,非間欠性跛行群では認められなかった。
【結論】間欠性跛行を呈する腰部脊柱管狭窄症患者の連続歩行は,歩行開始直後に比べ,終了直前に前額面での運動が大きくなる傾向にあった。

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© 2010 東海北陸理学療法学術大会
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