本研究では，PLD法を用い, ガラスやSi等の非金属基板上にNd-Fe-B系磁石膜もしくはPr-Fe-B系磁石膜を成膜した際、NdやPrといった各希土類含有量が，熱処理後の(1)磁気特性ならびに(2)試料の破壊現象に及ぼす影響を検討した。ガラス基板上に作製したNd-Fe-B系磁石膜とPr-Fe-B系磁石膜を膜厚100 µm程度まで厚膜化した際，Pr-Fe-B系磁石膜がより少ない希土類含有量で破壊現象を抑制できることを見出した。すなわち，ほぼ同じ膜厚を得る際に，より高い(BH)maxを得るにはPr-Fe-B系磁石膜が有利であることが明らかとなった。この原因として，PrとNdの異なる線膨張係数が関係するものと考えられる。発表では，Si基板の結果についても報告する予定である。
