天然ガスの有効利用に向け、メタンの酸化カップリング反応(OCM反応)といった天然ガスの直接転換技術が期待される。この反応はメタンを直接エチレンに転換するという反応で、これまでも多くの研究がされてきたが、未だ工業的に要求される収率30%を上回ることができていない。そこで、本研究では酸化カップリングの有効な触媒として知られるLa2O3に注目し、メタンを効率的、選択的に酸化カップリングする触媒の開発を行ってきた。塩基性とOCM反応の相関の観点や、活性酸素種を形成するための触媒表面酸素欠陥の増大を期待し、La2O3にアルカリ土類金属をドープした触媒について検討した。その結果、Ca、Srドープが効果的であることがわかった。La3+が2価の陽イオンに置換されることによって触媒表面の酸素欠陥濃度が増大し、気相中の酸素が効率よく触媒に取り込まれた。また、Ca、Srのドープによって触媒の塩基性が変化したと考えられる。