研削という除去加工でありながら,“サイマルプロセス(同時工程内)”で加工と同時にワークの表面を改質するという表面改質加工法について,著者らが取り組んできた研究を紹介した.本手法は,これまで多数のプロセスにまたがっていた機械加工・表面処理技術を統合化するのみならず,これまでに実現できなかった新たな精度と機能の融合を果たすものとして期待している.現在,そのメカニズムと制御,解析に関わる基礎研究を進めているが,?@表面の被覆による機能化,?A物質置換による機能化,?B親和性改善による機能化,などの新プロセスの確立と応用・実用を目指している.