チャオプラヤ川流域を対象にd4PDF を使用して極値流量の将来変化を予測した。バイアス補正の手法が異なる複数の入力降水データを用いて流出計算を行うことで、補正手法の違いが流量の算出結果に与える影響を確認しつつ将来変化を予測した。この結果、バイアス補正の手法の違いが流量算出値に与える影響を幅で示すことができ、チャオプラヤ川流域においては気温上昇に伴う流量の増加が顕著であり、かつ明瞭であることが確認できた。なお、2,500m3/s 程度までの高頻度で発生する流量規模は流量観測値と整合したが、これより大きい規模の流量では同じ再現期間でみると流量算出値が過小となったため、低頻度で発生する規模の流量の再現性に不確実性があると考えられる。今回は APHRO_MA を基準にバイアス補正を行ったが、基準を雨量計観測データに変更したうえで再度検証を行う予定である。