主催: 水文・水資源学会/日本水文科学会 2021年度研究発表会
会議名: 水文・水資源学会/日本水文科学会 2021年度研究発表会
開催日: 2021/09/15 - 2021/09/18
1960 – 2010年の観測データから、熱帯低気圧による豪雨(台風豪雨)の頻度は北西太平洋域の南西部(ルソン島周辺およびインドシナ半島東岸)で減少し、中国の南西部沿岸から韓国、日本の太平洋岸にかけて増加したことがわかった。また、同様の空間パターンは人為起源の気候変動の影響で現れることが気候シミュレーションデータの解析により明らかになった。これは、観測された台風豪雨の変化には人為起源の気候変動が寄与していることを強く示唆している。また、こうした空間パターンには主に熱帯低気圧のトラックや移動速度の変化が影響していることがわかった。 本研究の結果は、気候変動の影響が北西太平洋域における台風豪雨の頻度変化に既に現れていることを示唆するものである。