日本森林学会大会発表データベース
第132回日本森林学会大会
セッションID: T1-3
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学術講演集原稿
川中企業による小型ガス化熱電併給装置向けの燃料品質管理
*横田 康裕天野 智将垂水 亜紀北原 文章早舩 真智
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抄録

近年、木質バイオマスの小規模分散型エネルギー利用へ注目が集まり、エネルギー利用効率の高さからガス化CHP事業への期待が高まっている。しかし、小型ガス化CHP装置は高品質燃料が必要であり、特に低水分率の確保は重要な課題となっている。そこで本研究では、乾燥燃料供給の現状と課題を明らかにすることを目的とし、小型ガス化CHP装置向けに燃料チップを供給・供給検討しているチップ生産者4事例(東北、四国、九州)を調査した。いずれの事例でも乾燥への取組は限定的で、土場在庫中の丸太天然乾燥が主であり、乾燥チップは供給されていなかった。丸太天然乾燥は、土場確保や在庫コスト等から限界があるとされた。チップ人工乾燥は、乾燥コストの価格への反映が前提となるが、需要者との合意に至ることが難しいとされ、需要量確保よりも重要な課題とされていた。また、一部の取引では生重量ベースの価格設定となっているが、これを絶乾重量や熱量ベースとすることが求められていた。ガス化装置の種類によって要求水分率水準が異なること、チップ乾燥後に水分率が戻る地域もあることから、チップの装置への投入前段階での仕上げ乾燥が重要と示唆された。

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