主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第132回日本森林学会大会
回次: 132
開催地: 東京農工大学によるオンライン開催
開催日: 2021/03/19 - 2021/03/23
樹木は大気中の二酸化炭素を光合成により固定して、その炭素を成長や蓄積、呼吸として利用する。これらの樹木内炭素循環が、温度や水分環境などの環境要因によってどのように影響をうけるのかについて明らかにすることは、気候変動に対する樹木の反応を知るうえで重要である。13Cパルスラベリングとは、安定同位体である13Cを標識物質として用い、追跡する手法である。近年、安定同位体を測定する機器や技術の発達により、野外で樹木に適用することが可能になってきた。本発表では、この手法を利用して、光合成産物がどのように樹木に利用されるのか、また温度の違いや乾燥条件の違いがどのように影響を与えるのかについて、これまで得られた知見を紹介する。またスギを対象とした育種研究への適応事例についても紹介したい。