日本森林学会大会発表データベース
第132回日本森林学会大会
セッションID: I7
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学術講演集原稿
フラットヘッドスキャナにより撮影された土壌画像に対する輝度補正手法
*前川 新司礒川 悌次郎木村 敏文池野 英利大橋 瑞江上浦 尚武
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抄録

樹木の細根は,森林生態系内における物質循環に深く関与していることが知られている.そのフェノロジーを理解する方法の一つとして,広い範囲の土壌断面を継続的に撮影することが可能なスキャナ法がある.しかしながら,この方法によって得られた画像は,スキャナ容器の壁面や土壌の状態によって,その品質が大きく変化する.このことから,継続的に細根の動態を捉えるためには,できる限り画像状態を一定に保つ必要がある.そこで,バランスカードと呼ばれる色見本をスキャナ画像端に入れて撮像することが提案されてきたが,このカードを十分に活用できている状況には至っていない.本研究では,スキャナ画像から自動的にカード領域を検出し,そこから得られる輝度情報を用いて画像の輝度分布を補正する方法を提案する.提案法では,まず,テンプレートマッチング法により,バランスカードのうちの一つを検出し,その周囲の輝度分布から残りのカード領域を検出する.次に,検出したカードの輝度値と標準光下での輝度値を用いて輝度補正を行う.3拠点で撮像された合計49枚の画像に対して本手法を適用した結果,38枚についてカードが正しく検出でき,輝度補正ができた.

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