日本森林学会大会発表データベース
第131回日本森林学会大会
セッションID: L3
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学術講演集原稿
クビアカツヤカミキリ飼育個体の産卵数と孵化率の推移
*浦野 忠久
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抄録

クビアカツヤカミキリはサクラ、モモ、ウメなどの樹木を穿入加害し、特定外来生物に指定されている。本種室内飼育個体の生涯産卵数は、多い個体では1000を超えるが、2007年調査における産下卵の孵化率は11.9%と低かった。これは羽化直後は高い孵化率が、羽化後30日を経過すると10%未満に低下する一方で、羽化後30日以内の産卵数は生涯卵数の20%に満たないことが原因と推定された。本研究では飼育個体の孵化率を上昇させる、すなわち羽化後30日以内の産卵数を増加させることを目的として、これまでの飼育温度25℃を27℃に変更した試験区を設けた。産卵基質もこれまでの3×3cm段ボール片に加え、両面テープで底面に固定した段ボール片、サクラ乾燥枝、生枝の4種類を用いて産卵数を比較した。その結果、個体によるばらつきがかなり大きいが、平均孵化率は段ボール片よりサクラ枝を用いた方が高くなる傾向が認められた。また羽化後30日以内の産卵率(生涯産卵数に占める率)は、25℃より27℃において明らかに高かった。

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