トドマツ高標高×低標高の分離集団を対象にRAD-seqによるSNPデータを用いて連鎖地図を作成し、2018年と2019年に針葉を採取し、乾燥サンプルを用いてIC-MSを用いたイオノーム解析を行った。針葉に含まれる22種類の元素について、2018年と2019年を比較した結果、平均含有量に大きな違いはなかった。また、2018年には、カリウム、ニッケル、銅などはシュート伸長量と正の、MnとSrは負の相関が認められた。2019年には、FeとRbなどの含有量とシュートの伸長量には正の相関が認められた。両年の22元素について、それぞれQTL解析を行ったところ、2018年にはLi、Co、Srなど、2019年にはAs、Csなどで有意なQTLが検出された。一部のQTLと連鎖するSNPマーカーを含んだ塩基配列をトドマツのトランスクリプトーム・データベースで調べたところ、特定イオンの結合に関連するアノテーションを持つ遺伝子と相同性が高いことが示された。