初期成長に優れ、萌芽更新が可能なヤナギは、木質バイオマス生産に適した種とされ、欧米では、3年程度の成長と収穫を繰り返す施業が実用化されている。 森林総合研究所と北海道下川町は、2007年から協同研究協定等を締結し、ヤナギの栽培システムの確立、低コスト有効利用技術の開発を目的とした「木質バイオマス資源作物の生産促進技術の開発」を実施している。その一環として、下川町内で栽培したヤナギを農業機械や林業機械など既存の技術による収穫、運搬、チップ化の実証試験を行った。収穫に用いた機械は、ケーン(サトウキビ)ハーベスタとフェリングヘッド付きフォワーダ、運搬はダンプトラック、チップ化には3種のチップ化処理機械を用いた。実証実験の結果得られた作業時間や費用から、超短伐期ヤナギの新たな収穫・運搬手法とチップ化のコストについて実証的に試算した。先行研究等で試算されたコストと比較すると共に、収穫、運搬、チップ化工程の低コスト化に関する方策を検討したので、報告する。