日本森林学会大会発表データベース
第130回日本森林学会大会
セッションID: S6-5
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学術講演集原稿
スマート育種に向けたソバの遺伝・ゲノム解析
*原 尚資大澤 良
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抄録

 ソバは和食の象徴的食物であり、高い栄養性を有する完全食品であると同時に抗酸化物質等を多く含む高機能性食品である。一方で、他殖性であるため、自殖性の主要作物と比較して収量が低く、生産性が安定しない作物である。 これらの食品としての利点および作物としての欠点を改良するために、表現型選抜による育種が進められてきた。しかし、収量や機能性成分など農業上重要な形質の多くは結実後の表現型であることから、他殖性のソバにおいては開花・受精前に優良個体を選抜し、集団内の潜在的ポテンシャルを活かした効率的な育種が行えない難育種作物とされてきた。また、マイナー作物であるためゲノム情報はほとんど整備されていない現状であった。今後のソバ育種において、潜在的ポテンシャルを効率的に活用し、これまでにない革新的な新品種の育成を目指すためには、ソバの遺伝・ゲノム解析等の成果に基づいた開花・受精前の遺伝子型選抜によるスマート育種の実施が必要となる。 本発表においては、ソバにおいて現在進められている遺伝・ゲノム解析の成果について紹介するとともに、ソバにおけるスマート育種の実現性について考える。

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