主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第130回日本森林学会大会
回次: 130
開催地: 新潟県新潟市 新潟コンベンションセンター「朱鷺メッセ」
開催日: 2019/03/20 - 2019/03/23
森林や林業への理解を図る教育活動は、学校教育との連携が必要とされている。小学校や中学校で森林教育を扱う機会を確保するために、教員の森林教育に対する理解が求められるが、どのような研修が有効かはわかっていない。本研究では、2017年度と2018年度に多摩森林科学園が実施した「森林教育のための教員研修」(協力:東京都産業労働局森林課)を対象に、講義と体験活動(①自然観察・散策②クラフト・造形活動)を組み合わせ、研修の評価の比較を試みた。教員研修は、夏休みに各年2回、日帰りで実施し、参加者は、小学校・中学校教員(各回平均9名)である。研修前後のアンケートによる参加者の自己評価、自由記述などをもとに分析した結果、教員の研修への期待や動機、参加後の効果が一様でないことが確認された。参加の動機は、自然に対する高い関心とともに自身の自然体験の機会とする傾向が強く、体験活動によって初めて森林教育の必要性を実感し、学校での活用を考え始める場合が多くみられた。森林教育への理解を促進する体験活動に加え、活用方法を考察するための活動をバランス良く組み合わせたプログラムの必要性が示唆された。