日本森林学会大会発表データベース
第130回日本森林学会大会
セッションID: P2-200
会議情報

学術講演集原稿
青森県南西部のナラ林における養菌性キクイムシ類のモニタリング
*伊藤 昌明
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

 2016年に青森県南西部で派生したブナ科樹木萎凋病(ナラ枯れ)被害は、その後、深刻さを増している。発生地域である青森県西津軽郡深浦町では、ナラ類資源の急激な衰退がみられており、森林の構造も大きく変化し始めている。このような森林構造の大規模な変化によって、地域の生物多様性にも大きな影響が生じている可能性が高い。そこで、本研究では、ナラ枯れ被害の発生による生物多様性への影響を評価することとし、衝突板トラップを用いたモニタリングを行った。対象は植食生森林昆虫の主要ギルドである穿孔性昆虫の養菌性キクイムシ類とした。調査期間は2013年~2018年の6月~9月であり、週1回間隔でサンプルを回収した。モニタリングには、昆虫誘引器(サンケイ化学(株))と99.5%エタノールを組み合わせて用い、サンプルは全て捕殺した。調査地は深浦町の4か所と弘前市及び平川市の4か所の合計8か所であり、いずれもナラ類が優占する森林である。なお、各調査地にはトラップを4基ずつ設置した。また、深浦町はナラ枯れ被害が深刻化しているものの、弘前市及び平川市では未発生である。この捕獲結果を用いて、ナラ枯れ被害による生物多様性への影響を検出する。

著者関連情報
© 2019 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top