日本森林学会大会発表データベース
第130回日本森林学会大会
セッションID: B21
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学術講演集原稿
国立公園の管理有効性評価における協働型管理運営にむけた指標作成
*沖田 雄都愛甲 哲也庄子 康
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抄録

国立公園の効果的な管理を行うためには協働型管理が不可欠である。協働型管理の実現を目指し、これまで様々な提言が示されている(例えば、2007年の「国立・国定公園の指定及び管理運営に関する提言」)。本研究では、協働型管理がどのような構成要素から成り立っているのかを先行研究や過去の提言から整理し、その上で、構成要素が管理計画(管理運営計画も含む)にどのような形で反映されてきたのかを把握する。協働型管理に必要と考えられる構成要素は8つに整理できた。分析対象とした65編の管理計画について、整理した8つの構成要素は合計1,549箇所で登場していた。多様な主体間の連携した活動の有無を示す構成要素が829箇所と半数以上を占め、次いで各主体間での役割や費用の分担の有無を示す構成要素が276箇所で続いていた。ビジョンに関わる3つの構成要素は、2007年の同上の提言が示された以降にしか登場していなかった。2007年以降、ビジョンに関わる3つの構成要素を記載している管理計画は7割を超えたが、最も具体的な構成要素である、ビジョン達成のための行動計画まで策定しているものは2割にも満たなかった。

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