日本森林学会大会発表データベース
第130回日本森林学会大会
セッションID: K2
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学術講演集原稿
ICTによる国産材サプライチェーン・マネジメント・システムのモデル化
*繁田 直樹吉岡 拓如仁多見 俊夫
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抄録

林業の成長産業化に向けてサプライチェーンマネジメント(SCM)による生産・流通プロセスの合理化が注目されており、需要に基づいた原木の協定販売システムを構築することで林業経営の採算性の改善が可能であると考えられる。本研究ではシステムの有効性や適用可能規模について明らかにすることを目的とした。SCMによる協定販売システムを含めた原木の流通構造をシステムダイナミクスモデリングによりモデル化することで、供給の安定性を損なうことなく流通材に占める協定販売の割合をどの程度まで高めることが可能か、そしてそのとき採算性がどのように変化するか、を検討した。モデル設計のための調査・実験はA県の森林組合事業において実施し、シミュレーションにあたってはA県産材の製材用素材流通に関する統計を利用した。それにより、例えば予定納品率99%の条件下では安定供給材比率を85%程度まで高めることができ、採算性が一定程度改善する(結果整理中)という結果を得た。結果を基に協定販売システムの有効性を考察した上で、情報通信技術の必要性などシステムの実用面における課題についても整理した。

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© 2019 日本森林学会
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