日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: F6
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学術講演集原稿
石川県内のヒノキアスナロクローンの起源推定
*池田 虎三高田 克彦戸丸 信弘
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抄録

 ヒノキアスナロ(Thujopsis dolabrata var. hondae)は、石川県の主要な林業樹種の1つである。石川県では、古くからクローン林業が行われており、ヒノキアスナロ人工林は複数のクローンによって構成されている。これまでに県内の人工林が14クローンで構成されており、その内6クローンが人工林の主要なクローンであることが明らかにされてきた。これらのクローンの起源は、県内外の天然林であると推測されるが、その詳細は明らかにされていない。本研究では、16遺伝子座の核マイクロサテライトマーカーを用いて、石川県内のヒノキアスナロ人工林14クローンと古木のクローンが、どの地域のヒノキアスナロ天然林から由来したかを推定することを目的とした。 クローン解析の結果、古木24個体は12クローンで構成されており、その内5クローンは人工林と同一クローンであった。ヒノキアスナロ天然分布全体にわたる16集団および県内21クローンを対象としたSTRUCTURE解析の結果、複数のクローンにおいて県外の天然林が起源であることが推定された。最も樹齢が高い古木は、岩手・山形・佐渡の天然林集団が起源であると推定された。

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