日本森林学会大会発表データベース
第128回日本森林学会大会
セッションID: P2-250
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学術講演集原稿
カシ類の葉に優占する内生菌Tubakia spp.の病原性
*松村 愛美森永 健太福田 健二
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キーワード: 内生菌, 接種, 菌叢プラグ
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抄録

 我々は現在までにカシ類の葉にTubakia 属菌が普遍的かつ高頻度に内生すること、樹種によって優占する菌種が異なることを明らかにしてきた。一方で、本属菌はカシ類すす葉枯病などブナ科樹木の葉枯性病原としても報告されている。そこで、カシ類に内生する未記載4菌種を含むTubakia 属菌5種のカシ類に対する病原性を検討した。内生菌として分離したTubakia 属5種の各1菌株の菌叢を、アカガシ・アラカシ・ウラジロガシ・シラカシの切葉の裏面に有傷または無傷で接種した。対照区には無菌PDA培地を用いた。 無傷区では、どの菌種も病斑を形成せず、再分離率はT. sp. 2以外で低かった。一方、有傷区では多種のカシ類に内生するT. sp. 2、T. sp. 3で病斑形成が高率かつ病斑サイズも大きかったのに対して、宿主選好性の強い内生菌であるT. sp. 1、QA-bはどの樹種に対しても病斑形成率が低く病斑も小さかった。樹種による明らかな病原性の分化はみられなかった。

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