日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: S9-9
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学術講演集原稿
放置竹林問題の解決に向けて―竹材利用と防除技術を踏まえた竹林管理計画―
*鈴木 重雄久本 洋子
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抄録

1980年代以降日本各地で顕在化している放置竹林の増加と面積の拡大について、様々な知見が得られている。それらの成果により、竹林そのものへの人の管理の減少と竹林周囲の土地利用の衰退の相乗により、急速な竹林拡大がもたらされてきたことが分かっている。本企画シンポジウムでは、当面利用の見込めない竹林の駆逐手法と、資源としての竹の有用性に着目した需要の創出という二つの面から竹林に関する技術の現状と、それに期待をかける行政の取り組みを確認した。今後も双方の技術にはさらなる展開が予想されるが、それと同時に、竹林を賢く使う管理計画の策定も重要となる。多くの竹林の所在する中山間地域では、今後、一層の過疎化・高齢化が進行することが予想される。一方、竹林は傾斜地や林道等の整備されていない人のアクセス性の悪い場所で放置・侵入が進みやすかった。これを踏まえれば、竹林を含む里山の持続可能な景観計画を策定するためには、竹の需要と竹林管理の作業性も考慮した上で、地域計画を策定していくことが重要であるといえる。

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