日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: P1-145
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学術講演集原稿
サクラ栽培品種における花の揮発性物質分析
*松本 麻子福島 敦史加藤 珠理草野 都
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抄録

日本にはサクラ属野生種が10種自生し、栽培品種は現在300種類以上あると言われている。サクラの花や葉では、アレロパシー活性、昆虫との相互作用等に関連する揮発性物質が生成されることが知られている。しかしながら、これらの代謝物生産が経験的に種や品種間で量的・質的に異なると考えられてはいるものの、遺伝的背景は不明であり、代謝物の生合成に影響する環境因子(例.生育環境)なども厳密に考慮されていない。本研究では、クローン性を確認した複数のサクラ栽培品種の花器組織を用いて、HS-SPME(ヘッドスペース固相マイクロ抽出)による揮発性物質の抽出を行い、超高分解能GC-TOF-MS(ガスクロマトグラフ-飛行時間型質量分析計)による非ターゲットの揮発性物質プロファイリングを行った。得られたピークについて多変量解析を行い、品種間差に対する寄与を明らかにした。その結果、芳香性を有する栽培品種とそれ以外とでは別々のクラスターを形成し、ベンズアルデヒドのような香りに関係する主要成分のみならず、微量な成分も品種間差に寄与することが明らかになった。

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© 2016 日本森林学会
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