日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T24-05
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森林環境の持つ保健休養機能の基礎的研究と応用研究
関西の地域病院における森林療法の導入
*上原 巌
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キーワード: 森林療法, 地域病院, 関西
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抄録

各地域の森林を活用した保健休養のニーズは年々高まりをみせている。特に医療、福祉分野における森林活用は、地域医療、地域福祉における新たな活動形態および場として大きな可能性を持っているといえる。本研究では、兵庫県のH病院とその周辺の森林を対象にし、地域病院における森林療法の導入手法と、森林活用の形態の一つとしての森林療法の意義を考察した。H病院においては精神科患者の作業療法として木工作業などを過去に行ってきており、今後はリハビリテーション、レクリエーションの場としての森林活用および樹木利用を検討・計画している。H病院周辺の山林には、アベマキやコナラなどを中心とするかつての薪炭林と、スギ、ヒノキ林などの人工林が散在しており、林床には利用できるサルトリイバラ、ネズミサシなどの薬用植物などもみられる。主に看護師、作業療法士が実施した、病院周辺の環境を利用した森林療法の実践の結果、コミュニケーション、表現の変化、過去の想起など、患者には様々な変容がうかがえ、その作用には、場・空間の変化と、野外風致、また樹木の芳香成分などの要素が考えられた。

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© 2015 日本森林学会
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