日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T24-02
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森林環境の持つ保健休養機能の基礎的研究と応用研究
注意回復要素による水のある森林風景の比較
*尾崎 勝彦平野-竹村 文男狩谷 明美
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抄録

<背景・目的>前回の調査で、水のある森林風景が高く評価されることがわかった。そこで、本報告では異なる様相の水のある森林風景を注意回復尺度および気分状態で評価・比較する事を目的とする。比較の対象としたのは日本の渓流風景(姫路市安富町)とフィンランド(Ilomantsi)の湖のある森林風景である。
<方法>大学生・専門学校生512名(女性295名、男性215名、不明2名、平均年齢20.7歳(SD=4.7))を対象として、両者の森林風景4枚ずつをスライドでエンドレスに提示しながら、その森の中にいるという設定で質問紙に回答させた。測度は日本語版注意回復尺度等の注意回復関連質問と気分状態関連質問(POMSおよびPANAS)であった。なお、日本→フィンランドの順に回答したものは247名、その逆は265名であった。
<結果と考察>全ての測度において0.1%有意で日本の渓流のある森林の方が高い評価であった。水の状態によって注意回復および気分状態が異なることが示された。渓流が高く評価された要因は水が「動く」ことであると推定した。回答者は渓流の写真を見てゆらぎを有する水音や、流れの状態をイメージしたのではないかと考えられる。

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