日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: K08
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動物部門
抵抗性マツ植栽地におけるマツノマダラカミキリ成虫密度と枯死率の関係
*杉本 博之富樫 一巳
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抄録

材線虫病の被害を受けたマツ林の再生対策として,激害地から抵抗性個体を選抜して母樹を作成し,その種子から抵抗性マツを造林している。近年,そのような植栽林分で材線虫病が発生して問題となっている。枯死要因の一つとして,媒介昆虫であるマツノマダラカミキリ(以下カミキリ)の密度が関係していると考えられる。そこで,2008年から2014年まで山口県防府市の2つの抵抗性林分(各0.06ha程度)でカミキリ成虫密度と枯死の関係を調査したので報告する。
カミキリ成虫の発生期間に毎週,誘引物を含まない粘着剤付スクリーントラップ(1×1m)によって成虫を捕獲した。枯死はトラップ設置の終了時と翌年の調査前に樹脂流出量調査により確認した。全枯死木は成虫の発生前に林外に搬出した。解析には7月末までに捕獲したカミキリを用いた。
2林分を合わせて枯死率,健全木密度,成虫密度の関係を解析した結果,枯死率は健全木密度には関係なく,成虫密度に関係することがわかった。また,抵抗性林分ではカミキリがある程度生存しても枯死が発生しないことが分かった。

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