日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: T08-10
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森林生態系の放射能汚染の現状を考える
福島第一発電所事故で汚染された森林の里山利用と放射性セシウムの動態
*金子 信博黄 よう藤原 佳祐佐々木 道子戸田 浩人高橋 輝昌野中 昌法
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抄録

現在よく行われている里山利用には、シイタケ原木や薪炭材利用のための萌芽更新、キノコや山菜の栽培や採取、野生動物の狩猟などがある。これらはいずれも福島第一原発事故によって環境中に放出された放射性セシウムの影響を受ける。汚染レベルの低い森林であっても、生物による移行が生じ、広い範囲でキノコや山菜は食品の基準を超えるため、継続できなくなっている。森林の除染を完全に行うことは困難であるが、利用を継続しつつ、明確な除染方針を立てる必要がある。汚染の影響の少ない施業法を明らかにするために、二本松市の広葉樹林で森林伐採、落葉除去、ウッドチップ散布の組み合わせを現地試験し、半年にわたって放射性セシウムの動態を調べた。調査地はクヌギーコナラ林で、2013年3月23日に調査地の半分を伐採し、森林区と伐採区に落葉除去、ウッドチップ散布の2要因を組み合わせる処理区をそれぞれ4区設置した。ウッドチップは伐採したクヌギ、コナラを現地でチッパーを用いて破砕し、ナイロンネットに約10kgを詰め、林床1平方メートルに2つずつ敷き詰めた。 チップと萌芽枝への移行データの基づき、里山の除染を行うための最適な方法を提案する。

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© 2014 日本森林学会
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