日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: P2-116
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生態
アマゾン中央部の熱帯林における細根現存量の地域差
*野口 英之Souza Cacilda Adelia SampaioSilva Rosiane OliveiraOurique Lucas Kosvoski諏訪 錬平梶本 卓也石塚 森吉Pinto Alberto Carlos MartinsLima Adriano Jose NogueiraSantos JoaquimHiguchi Niro
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抄録

アマゾンの熱帯林は極めて大きな現存量をもつが、森林の純一次生産量の多くの部分が配分されている細根について、この地域では断片的な情報しか得られていない。気候や土壌の違いによって、アマゾン域内の細根現存量には、地上部と同様に地域差が存在するものと考えられる。本研究では、ブラジル北西部に位置するサンガブリエル・ダ・カショエラ、ジュタイ、カパナ・グランジ、リオ・ウニニ、アウアチ・パラナおよびマナウスの6地域で細根の現存量を測定し、地域間での比較を行った。細根現存量は地域ごとに異なり(p < 0.001)、ネグロ川上流域のサン・ガブリエル(7.0 Mg/ha)で最も高く、ソリモンエス川流域のアウアチ・パラナ(3.4 Mg/ha)で最も低かった。細根現存量と地上部現存量および降水量との間には明瞭な相関関係は認められなかったが、他の支流域よりも地上部現存量が低いネグロ川流域のほうが、細根現存量は高かった(p < 0.01)。また、貧栄養の土壌で細根現存量が高い傾向があった。他の地域での研究結果とも比較すると、アマゾン域内では東から西に向かって現存量が増加する傾向が認められ、土壌の物理性、水分、養分等の影響が示唆された。

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© 2014 日本森林学会
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