日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: L08
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樹病
カラマツ長伐期施業における根株心腐病の被害軽減
*大澤 正嗣
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抄録

【目的】カラマツは冷涼な気候下で良く生育するため、山梨県では主要樹種の1つとなっており、近年、良材生産のため一部地域で長伐期施業が行われている。ところがカラマツは根株心腐病に弱く、本病に侵されたカラマツは樹幹内部が年々腐朽するため、長伐期施業により、被害が益々大きくなることが懸念され、本病への対策が必要となっている。本病の防除は現在のところ困難なため、被害多発地の特徴を把握することにより、被害を回避する必要がある。【方法】山梨県内カラマツ林180林分の伐採跡地にて根株心腐病の罹病率を調査した。またそれら林分の環境要因(林齢、標高、傾斜度、地形、土壌など)を記録した。そして環境要因と被害の関係を一般化線形モデルで解析し、罹病率に影響する環境要因を特定した。【結果】カラマツ根株心腐病は山梨県全域で発生しており、罹病率は、30~50年生で5%、60~80年生では23%で、本病による被害の多い林分では根元折れが多発していた。被害は、樹齢、傾斜度、凹地形、根を傷つけたカラマツ林、富士山麓で多かった。これらの結果を受け、本病の被害軽減方針を作成した。

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